書籍の内容
すべての始まりビッグバン、ダークエネルギーにより膨張する宇宙、星や銀河の形成、そして私たち生命の誕生……137億年の宇宙史を、最新の研究成果に基づき、わかりやすく語る。天体物理や物性物理といった枠を越え、理論と実験とが連携して宇宙と物質の起源を探る旅。
担当者より
私たちが住む宇宙は、ビッグバンに始まる137億年の歴史があることが、近年のWMAP衛星による観測などから、ほぼ確実になりました。その一方で、宇宙を膨張させる未知の力のダークエネルギーなど、宇宙に関わる未解明の謎もたくさんあります。
この宇宙において物質、そして私たち生命が生まれたことも、大きな謎と言って良いでしょう。
本書は、宇宙の始まりの謎に迫る素粒子物理、星や銀河の形成を追いかける天体物理学、物質の多様性の把握を目的とする物性物理、そして生命の神秘を対象とする生物物理学といった、物理学の細領域を越えて、宇宙と物質の起源の解読を目指しました。
宇宙史解読にあたっては、2008年のノーベル物理学賞受賞トピックス「小林・益川理論」などの理論研究と、X線天文衛星「すざく」などの実験研究とが、互いに連携し合うことが重要なことも、本書でお分かりになるでしょう。
最新の研究成果に基づき分かりやすく語られた(用語集も巻末に収録しました)本書は、広く科学に関心のある一般市民の興味を引くことと思われます。
書籍の目次
序 章 宇宙史解読への挑戦
第1章 初期宇宙
1 素粒子物理学で宇宙誕生に迫る
2 なぜ反物質は存在しないのか
ビッグバンが要求する素粒子論
粒子-反粒子対称性の破れの証拠をとらえた
Column 粒子識別装置をつくる
3 ニュートリノ問題に終止符を打つ
原子核乾板でニュートリノをとらえる
OPERA実験が始まった
Column リフレッシュできる写真フィルムをつくる
第2章 天体形成
1 宇宙を見る多様な目
2 コンピュータの中で宇宙が生まれる
宇宙の構造はいかにつくられたか
ファーストスター誕生
3 星が生まれる
銀河系中心部の超巨大ループ状分子雲に迫る
大マゼラン銀河で巨大星団が生まれている
4 銀河団の熱い世界
Column 望遠鏡をつくる
第3章 極限天体
1 宇宙と地上をつなぐ物理
2 天体進化の終わりに
超新星と宇宙線陽子の起源
「すざく」が見たブラックホール近傍の時空
ブラックホールをつくり出す
3 極限状態の多様な世界
超伝導の謎を追う
磁性超伝導体の新現象をとらえる
強相関電子系のエキゾチックな軌道を見る
Column 新物質、高圧・極低温環境をつくる
第4章 宇宙と生命
1 宇宙の中で生まれ出た生命
2 地球に生きる
地球を変えた光と生命
生命を支えるプロトンポンプの4次元構造を解く
Column 人工光合成タンパク質をつくる
おわりに
用 語 集
索 引
書評紹介
著者の他の書籍の紹介
『物理学ミニマ』 杉山直 監修/野尻伸一・伊藤好孝・藤博之・門田健司 著


