書籍の内容
1956年のスエズ侵略戦争を中心テーマに、第二次世界大戦後のイギリスの中東政策の展開過程とアラブ・ナショナリズムとの関係、イギリスとエジプトとの対立の深化とスエズ戦争への政治過程、中東政策ならびにスエズ戦争をめぐる英米関係の展開とイギリスの凋落過程を歴史的に考察する。
書籍の目次
序 章 植民地主義・ナショナリズム・冷戦
1 ミトラ峠の砂嵐
2 「スエズ・シンドローム」 とスエズ研究
3 帝国とナショナリズムと冷戦の論理
第1章 イギリスの世界政策と中東
第1節 戦後世界政策と帝国
1 ランプソンの恐喝事件
2 「3つの円環」 と世界大国
3 「ワールド・パワー」 と帝国
4 労働党政府と中東政策
第2節 条約改訂交渉 —— エジプト、イラク
1 ベヴィン=シドキー協定の破綻
2 ポーツマス条約の失敗
3 「帝国の恩恵」 から 「ソ連の脅威」 へ
第3節 中東防衛の戦略と外交
1 イギリス帝国の 「生命線」
2 双務交渉から多角的アプローチへ
3 中東と西欧、「内環」 と 「外環」
第2章 イランの石油とエジプトの基地
第1節 イラン危機と労働党政府
1 「帝国秩序」 の崩壊
2 AIOC 国有化
3 モサデクとの対決
4 アバダンからの逃走
第2節 戦略再評価とスエズ基地
1 「連合国」 の中東司令部
2 チャーチルとスエズのジレンマ
3 MEC の挫折
第3節 スエズ基地交渉と54年条約
1 「前方戦略」 とスエズ基地
2 基地交渉開始
3 MEDO とエジプト・ナショナリズム
4 「帝国の権威」 対現実主義
5 イギリス=エジプト条約調印
第3章 バグダッド条約とアラブ・ナショナリズム
第1節 スエズ撤退と 「北層」 計画
1 「北層」 計画とその矛盾
2 トルコ=パキスタン条約登場
3 ヌリ・サイードのイニシアチブ
4 バグダッド条約調印
第2節 バグダッド条約の波紋
1 イーデン=ナセル会談
2 アメリカとバグダッド条約
3 「アルファ」 計画とガザの衝撃
4 ナセルの武器取引き
第3節 ダム建設援助とヨルダン工作
1 アスワン・ハイ・ダム援助計画
2 バグダッド条約拡大工作
3 英米の政策転換
4 「オメガ」 と援助立枯れ計画
第4章 スエズの危機と戦争
第1節 ダムと運河の政治対決
1 ダム援助撤回とナセルの怒り
2 スエズ運河会社国有化宣言
3 ロンドンの怒り
第2節 武力と交渉の狭間
1 武力行使決定とアメリカ
2 ロンドン会議と 「マスケット銃士作戦」 計画
3 イーデン対アイゼンハワー=ダレス
第3節 「裏切り」 の政治外交
1 SCUA とイギリスの苛立ち
2 ダレスの 「裏切り」
3 パリからの密使、パリへの密使
第5章 戦争と侵略の代償
第1節 瀬戸際の侵略者
1 「マスケット銃士作戦」 開始
2 ポートサイド占領と停戦受諾
3 石油危機・ポンド危機
4 英米関係断絶
第2節 もうひとつの 「共謀」
1 マクミランの 「無花果の葉」
2 大西洋同盟の危機
3 無条件撤兵とイーデン退陣
終 章 イギリス帝国とスエズ戦争
第1節 軍事行動の意図と背景
1 決断の時と動機
2 ウォルター・リード病院のダレス
3 イギリス植民地主義とアメリカ
第2節 帝国の幻影とスエズ戦争
1 スエズ戦争と 「冷戦」
2 イーデンと時代精神
著者の他の書籍の紹介
『グローバル冷戦史』 O・A・ウェスタッド 著/佐々木雄太 監訳/小川浩之・益田 実・三須拓也・三宅康之・山本 健 訳
関連書籍の紹介
『戦争国家イギリス』 デービッド・エジャトン 著/坂出 健 監訳/松浦俊輔ほか訳


